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まだ雪のあるうちに雪国に行きたい!
ということで、温泉がイオティック
(注:硫黄泉)というのにも惹かれて、
新潟は清津峡温泉に行くことに。
高崎から水上、トンネルをくぐって
雪国へと突撃でございます。
まあトンネルどころか水上に着く前から
すでに積もってましたけどね雪。
が、いずれにせよ、積雪には親しくない
生粋の関東民である上に酒の勢いも手伝い、
移動中からすでにテンションはダダ上がりでございます。
(今回も例によって高崎までは普通車グリーンで
酒飲みながら反対車線に向かってニヤニヤ旅です)

中継地である越後湯沢で下車。
バスの時間待ちの間にお昼を食べましょーということで、
この日は名物であるへぎそばに舞茸天ぷらを添えてズルリ。
……ごめん、へぎそば別に美味くない。
名物に旨いものなしという言葉を噛みしめつつ、
食後は駅ナカで夜のための酒やらつまみやらを買いあさる。
越後湯沢も何度も立ち寄っているので、
この辺は定番のコースです。
お酒は緑川(純米吟醸)、つまみのメインは塩辛。
定番はいりまーす。

そしてバス待ち。
この写真のときはまだ降雪はなかったのですが、
このあとでなんかにわかに吹雪いてきたもので、
「ニット帽をかぶらないといけない、雪なので!」
とかなんか変な回路がつながった僕はこの先の商店街に突撃。
スポーツ用品店でぽんぽんのついたドドメ色のニット帽を購入して
ホクホク顔でズッポシかぶったりしてました。
そうしてバスに乗ってから「暑っ」といってすぐに脱ぎ、
その後一回もかぶってません。発作的にもほどがありすぎ。
吹雪もバス乗るころにはどっか行ってました。
なんというか、半勃ち気分。

で、バスに揺られること小一時間くらいで、
清津峡はこちらのお宿にとうちゃく。
ワーイ雪つもってるー。
でももっとあってもいいな……。
来年は(つまり今年ですが)もうすぐ春に
なるようなころでなく、もっと
ドカドカ降ってるド冬な時期に来よう、
と固く心に誓いつつチェキン。

宿の前にはカマクラとかもあった。
「キャバ……いやなんでもありません」
たぶん一冬でおびただしい数の人間が口走りかけてると思う。
(言っちゃった人はたぶん抹殺されてると思う)

そして宿の反対側はストンと谷に落ち込んですぐ川。
この川沿いに貸し切りの露天もありました。
雪の山肌を眺めながらイオティカルにザブリですよ!
テンションがさらに上がってますます頭が悪くなる。
なんとかするために早速露天に入ることに。
(確か。例によって記憶うろん)
お風呂は40度台半ばの熱い方と
人肌よりちょいアツくらいの
ぬるめの方の二槽体勢の岩風呂でした。
僕はわりとのぼせやすいタイプなのですが、
ここだと「のぼせたらぬるめの方に入り、
落ち着いたら熱い方に戻る」という
入り方ができるので、際限なくお湯に
浸かっていられます(っても、貸し切り時間は30分ですが)。
つまり僕にとって出たり入ったりしてるいつもの入浴よりも
圧倒的に温泉分がふんだんに吸収できたということです。
いいー。ここはいいー。普通温度に加えて
ぬるめの浴槽もあるのいいー(しかもぬるめの方が
湯の花浮きまくりで濃厚風味だったりするからなおのこと)。
常に漂うほどよいイオウ臭もいいー。イオラー!
イオウのにおいってのはどうしようもなく
「ああ温泉入ってますわー」感をそそりますなー。
あとタマゴ食いたくなりますなー。
これで雪が降ったりしたらもう最高なんだけど
まあそこまでは望むまいー。
露天にはきちんと笠も用意されてて
かぶりたいことこの上なしだけどまあひとまずは望むまいー。
夕飯にタマゴがついてくるといいなと思いつつ、あがる。
で、宿に戻って今度は内風呂に入り倒し、
途中力尽きて昼寝とかしつつ
(例によって今回も徹夜状態で旅に出ています)、
やがてゴハンの時を迎えて食べて呑んで撃沈。
前回と同じく夕方過ぎた辺りからすっかりカメラの
ことを忘れているので、この辺写真がまるでありまへん。
いや、アレですね、写真がないといろいろ語りにくいし、
そもそもアレコレ詳細が思い出せないものですね。
今度から気をつけよう。
ゴハンにはタマゴはついてませんでした。

翌日。今回の旅は二泊だったので、
真ん中の日はまるまるヒマというか
特にすること決まっておりませんでした。
ちょうど宿からさらに奥に行くと
清津峡渓谷が見られるトンネルがあるとのことなので
これは行くしかないでしょう(他なんにもないしね、この辺)。

というわけでごめんくださーい。

清津峡渓谷トンネルの中は一本道。
突き当たりまで7、800mってトコだったかしら。
ちなみにトイレはないので要注意。
トンネリングトンネリングやほーやほー。
頭は悪いままです。

途中では数カ所でワンダリングモンスターたちがお出迎え。
クマの方はめっちゃ縫合痕もあざやかで
なんとなくスイマセンな気分に。

途中にはいくつか横穴があり、
この渓谷の特徴である岩肌を
どうぞ立ち寄って見てってちょうだい的な作り。
わー、ななめってるー。
ってかなるほど、入り口の壁の意匠も
これをモチーフにしてたのねー(ザババー)(←眼下を流れる川の音)

鉄柵が壊れたかなんかして
仮のものになってるところもあった。
きっと誰かがチキンランでもやったんだな。
このときは、のんきにそんなことを考えていたのだが……。

で、最奥の突き当たり。
川が山を押し割り流れているさまを
ちょうどまんまえ(?)から見られる感じ。
コイン式の双眼鏡とかも付設されてるので
もう見るしかないでしょ的に見る。

写真では全くそんなことはないんだけど、
肉眼(?)では何故だか風景がすべて
カキワリ風に見えて驚愕。
カキワリだー、もしくはポリゴン風だー、とか
目の前のいい渓谷が涙目必死の
盛り上がり方をしてしまい、
ほぼ一年後の今になって
申し訳ないことをした気がしている。
しかし本番は一通り双眼鏡を堪能したあと、
壁に飾られていた写真を何気なく眺めたときのことでした。
……え? ちょ、なんか今さっきのぞいてた横穴が
雪崩に埋まってるですけど!!
なんでも、ドカ雪が降るとたまにそういうことになる模様。
つまり、さっきの柵は雪崩に破壊されたということか……。
ワーすげー、雪すげー、
ますます次はドカ雪のころに来ようと心に決める。

ところでそろそろ昼ですが、宿で昼飯は出ません。
国道からここ清津峡に入ってくる道の
はじめ辺りにドライブインがあったので、
そこに行くとしましょうかーとゴー。
左手に山、右手に川をながめながら
寒風吹きすさぶ中をテクテクと歩いてまいります。
にしてもやっぱ、関東者の感覚で見れば
十分にすごい積雪っぷりだけど、
雪国なのだからやっぱ背丈以上に積もってて欲しいなぁ。
なんかもの足んないなぁ、などとすっかり感覚が麻痺してくる。
最初のころは雪を見ただけではしゃいでいたというのに……。
人はこうして大人になるのでしょうか。
(とか言って、このあとことある度に雪に突撃して
キャッホキャッホしたり、数歩ごとに雪を手にとって
川に向かってバックホームしまくったりしてましたが)

いろんなつーららー。
山肌の方からデカくてとんがってるのが
落ちてきたら確実に英雄戦争のクライマックスのときの
ベルドよろしくサックリと串刺しになること
必須なので(通じにくいたとえですみません)
ついつい川のほうに寄って歩いてしまう。
が、僕はかなりの高所恐怖症なので、
川のほうに寄ったら寄ったで「ギャーガケーたーかーいー」
とかなってもう右往左往でした。
道路にも積もってたり凍ってたりしてたら
きっと横転まくりでしたね。
もしくはマリオカートのクッパとかドンキーを
初心者が使ってみたとき的な蛇行っぷりに。

でもこういうのはいかにも雪国でいいよね。
このそばにはウサギかなんかの足跡とかも
雪の上に点々とついてたりしてました。食べちゃうぞー。
ドライブインまでは3,40分ほどで着き、
そこで舞茸天ぷらの入ったアツアツおそばを食べました。
ま、まいたけうめぇ、そばうめぇ、というかここうめぇ!
前日越後湯沢で食ったへぎそばが
ますます呪わしくなってくる。へぎめ、へぎめ!
もう当分はいい。そしてここはまた清津峡に来たら再訪しよう。
そんな感じで暖かさ(カロリー的な意味でも)
を摂取し、宿へと帰還。
書いてませんでしたがドライブインに着くころには
めっちゃくちゃ凍えており、もし閉まったりなんかしてたら
たぶんその辺でのたれ凍え死んでいたかと思います。いのちびろい!
日中そんなでしたから、宿に戻れば当然風呂です。
また露天の方に入りたいな。2回目以降は
+500円払わねばなのだけど、それでも入りたいな。
どうせなら雪見風呂とかしてみたいな。
しかし今現在雪は降っていない……。
一縷の望みを託して、一番遅い時間に予約を入れ、
ひとまずは内風呂の方に入ることに。
ハフーあたたかーい。
内風呂の方はイオウ臭がこもってこちらはこちらでとてもよいです。
というかここのお風呂はまさに適温でホントよいです。
加水はアレですが、ほどよい加温はおもてなしだと思うよ。
むしろむやみやたらと熱い温泉の方が僕には辛いッス。
そうしていつしか夕食も食い、お銚子もつけたりして
具合よくのほほんモードになりつつ、夜は更けてゆきます。
刻一刻と近づいてくる露天の方の予約時間。
これでマジで雪降ってたら最高なんですがねー。
まあ将軍なんて下々の者の希望なんて聞いちゃくれないでしょうけどねー。
などと言いながら鍵を受け取り外に出てみたところ
降ってるし!!!!!!うわっ、将軍様、将軍様ぁ、おら一生ついていくだ、あんた最高だー、
やっぱナポレオンにギャフンと言わせたお人は器の大きさが違うだー!
などともう冬将軍のイキな計らいを讃えまくりながら
嬉々として備え付けの笠をかぶり雪見風呂を力一杯堪能!
夜になると施されるライトアップも、舞い散る雪を
これでもかといわんばかりに幻想的に映し出しまくり
最高ーッ、最高ーッ。
という感じで二日目も終わり、三日目の午前にも
チェックアウト前にしつこくまた露天に入ったりしてから
帰ってきたわけなのですが、冬将軍の男前っぷりを抜きにしたって
ここはなんともよかったです。未だにかなりお気に入り。
雪のころにまた来ようと誓ったけれども、
紅葉のころなんかも、いいんじゃないかなぁという気配がいたしますです。
要するにいつでもいいからまた行きたいんだな、自分。
また行くよー。
●たたむ